コラム
各項目におけるチャレンジの目安
はじめに(弊社の考え方)
お申し込みを頂いた際に、とてもよく目にするご希望は「駐車」「高速」「目的地」といった内容となります。
当然、これらの目標を叶えるために我々は存在しますし、担当官は「チャレンジさせてあげたい」「クリアさせてあげたい」という心情になります。
しかしながら、目標に辿り着くまでの「手順」については、本部にて「厳密に管理」をさせて頂いております。
お客様の「やりたいこと」を叶えるためには、身に付けるべき能力の「順番」がとても大切だと考えているからです。
極端に言えば、一般道の「車線変更」が出来ていない状況で、いきなり「首都高」にチャレンジするのは、かなり無理があります。というか無謀です。
この様な状態でチャレンジした所で、危険なだけです。
目的に対し「最低限・到達していなければならない状態」は、各項目ごとに明確に存在します。
当ページでは、各項目のチャレンジにおける「目安」をご紹介させて頂きます。
評価項目と基準
弊社においては、画像の「技能報告書」でお客様の状態を「記録・共有」させて頂いております。
色で囲んだ部分が大枠でのトレーニング項目となります。
大きな考え方としては下記となります。
①車両コントロール(青枠部)
自分が操る車両を「思い通りにコントロールできる状態」になろう!がコンセプトです。
もしも「1000kgを超える鉄の塊」を「自分のイメージ通りにコントロール出来ていない」としたら・・・。
それは、とてもとても怖い状況です。
正直、「基礎的なコントロール」が不足している状態では、何をやっても身に付きません。
何を行うにしても、まずは車両を「自分の制御下」に置きましょう。
その上で初めて、様々なチャレンジが可能になります。
この部分は教習所における「構内走行」の様なイメージで捉えて頂ければと思います。
一般的な進捗では「3時間」(~5時間)での習得を見込んでいます。
②ルール面の整備(黄枠部)
市街地におけるルール面を整備しましょう。
・どのタイミングで何を確認するのか。
・一般ドライバーの共通理解とズレている部分は無いか?
等、原理原則を正しく理解していきましょう。
「車両コントロール」+「知識」で「一般的な市街地」を走行できる状態にしてしまいましょう!
一般的な進捗では「3時間」での習得を見込んでいます。
③課題チャレンジ(赤枠部)
「市街地」を難なく走行できる状態になったら、いよいよ様々な課題にチャレンジです!
どの順番で何の課題にチャレンジしても、問題はありません。
主な課題は「駐車」「車線変更」「目的地走行」「ナビ走行」「狭路すれ違い」「2車線障害」「高速道路」「都心走行」「首都高」が挙げられます。
一般的な進捗では「駐車」+「車線変更」を行います。概ね「3時間」での習得を見込んでいます。
評価の基準
弊社の「技能報告書」では、下記の基準で各項目の評価をさせて頂いております。
5 | 一般の優良ドライバーレベルです |
4 | 安定しました |
3.5 | 環境に左右されず「安定」してきました |
3 | 正しく出来ました 各項目で目指すのが「3評価」です |
2.8 | あと僅かっ! |
2.5 | 形になってきましたがもう一歩です |
2 | イメージが不足しています |
1 | 頑張りましょう |
マイカー教習の目安
初回・教習時におけるマイカー教習は「原則不可」とさせて頂いております。
最初は「弊社の教習車」での教習をお願い致します。
弊社ではマイカー教習の目安は下記とさせて頂いております。
・車両コントロールが「3評価」(正しくできた)
自分が操る車両が安定しない段階では、大切なマイカーを操作ミスによって傷つけてしまう可能性があります。
弊社の教習車であれば、少し擦った程度であれば、気にしなくても構いません。
「自分の車じゃないと意味が無い」と思いがちですが、運転は「弘法筆を選ばず」の側面が強い傾向にあります。
初期段階における「上達速度」と「車両の違い」は、実はあまり関係ありません。
車両の違いが影響する項目は、教習の後半戦で行う「駐車」と「狭路」です。
初期段階でのマイカー教習は、それなりの「リスク」が発生するため、「車両コントロールの3評価」をクリアしてからマイカー教習を行いましょう。
但し、半年以上の「継続した走行経験」(通勤で使用していた等)がある方は、免除させて頂く場合もありますので、別途ご相談を頂ければと思います。
駐車の目安
基本的な条件は
①車両コントロール(青枠部)
②ルール面の整備(黄枠部)
のクリアとなります。
上記をクリアすることによって「市街地走行の安定」が得られます。
「市街地走行」が安定する頃には、駐車のトレーニングに「不可欠な要素」(操作力、車体感覚、空間把握力、等)がある程度、身に付いています。
「駐車が出来なければ自分で練習すら出来ない」
この様な声は重々理解しておりますが、基本的な順番としてはご理解とご協力を頂けましたら幸いです。
尚、どうしても最初の段階で駐車を行いたい方は、別途ご相談下さい。
ご事情によっては
①車両コントロール(青枠部)
のクリアのみでチャレンジさせて頂く場合も御座います。
但し、市街地のルールが不足しているまま駐車場に辿り着く必要があるため、市街地は「担当官の操り人形になっていただき切り抜ける」という手法になり、危険度が増すことだけはご承知下さい。
目的地走行の目安
基本的な条件は
①車両コントロール(青枠部)
②ルール面の整備(黄枠部)
のクリアとなります。
目的地走行は、「市街地を走行できる状態」を作ることがマストです。
ゆとりのある状態で行えば、行った「判断」や「記憶」は正しく蓄積されていきます。
一方で、ゆとりなく「緊張状態」で行った場合、「頭が真っ白」になるだけで、何も覚えていない状態になりがちです。
目的地走行で大切なことは、「原理原則」を理解した上で、場所場所の「特徴」や「注意ポイント」を積み上げていくことです。
そのため「原理原則」を理解せぬまま行った場合、効果は殆ど見込めません。
また、遠距離の場合は「直進しているだけ」の時間が長くなってしまい、教習効率は著しく低下してしまいます。
実際のルートを練習する事はとても意義があります。
一方で、順番を間違えると、効果が見込めなくなってしまうばかりか、「環境と実力に誤差」がある場合は「事故のリスク」すら高まってしまいます。
目的地走行は、担当と綿密な打ち合わせをしたうえで、計画的に行っていきましょう。
車線変更の目安
基本的な条件は
①車両コントロール(青枠部)
②ルール面の整備(黄枠部)
のクリアとなります。
車線変更は、実は「積み上げ」がとても重要な項目です。
具体的には「ミラー距離感」「死角の確認」「確認動作の安定」です。
必要な素地としては、実は「信号左折」とかなり重複する部分があるのが「車線変更」となります。
そのため、信号左折を含む「市街地走行の安定」が、車線変更にチャレンジする前に、身に付けておきたい項目となります。
高速道路の目安
高速道路チャレンジの基本的な条件は、一般道における「車線変更の安定」となります。
一般道での「車線変更」が安定したら、高速道路にチャレンジしていきましょう。
但し、首都高は別物のため、別途基準が存在します。
都心走行の目安
「千代田区」「中央区」「港区」「新宿区」「渋谷区」等の都心は、日本の中でも「最も難易度の高いエリア」です。
交通量は極めて多く、道路構成も複雑です。
全ての基礎が出来た上で、チャレンジしなければいけない環境です。
都心走行のチャレンジ条件は、「2車線障害」の対処を「自分の力だけで安定的にできる」となります。
2車線障害とは??
よく2車線の大きな国道で、左側に「停車」している車両がありますよね?
左車線を走行していた車両は、右車線に回避しなければなりません。
「いつでも良いから車線を変更してね」が車線変更だとすると、「2車線障害」は「限られた時間内」で回避しなければなりません。
今までは「2台分の車間」(約10メートル)で車線変更していたのに、いきなり「0.5台分以下の車間」(約1~2メートル)での回避を強いられるのが「2車線障害」です。
「車線変更の安定」と「ミラー距離感」の、かなりの精度が必要となります。
この2車線障害を「自力でクリア」出来る程度の実力が無ければ、都心走行は難しいチャレンジとなってしまいます。
首都高の目安
・都心走行を安定的に出来ること
・都心部を「ナビ」の情報だけで目的地に到達できること
となります。
全ての課題をクリアした上で、最終的なチャレンジとなります。
頑張りましょう!!
公開日:2024.12.21 最終更新日:2025.01.05