コラム
教習資料「車線変更」の解説
ペーパードライバーの皆さまに役立つ、「車線変更」の教習資料について解説します。
ミラー距離感
ミラーの役割を理解しよう

まずは「ミラーの役割」を理解しましょう。
「ルームミラー」は広範囲を見通せるので、全体感をつかむために。
「サイドミラー」は後続車との距離がわかりやすいので、距離感をつかむために使いましょう。
ミラー距離感の特性

ルームミラーやサイドミラーは、実際よりも近くに見えてしまう特性をもっています。
⾞線変更を「苦⼿」「こわい」と感じてしまう根本の要因は、「ミラー距離感の不⾜」にあります。
車線変更時の適切な距離感

車線変更時の適切な距離感は、車2台分です。
トレーニングを繰り返し行い、車2台分の距離感を覚えましょう。
ミラーの見え方(距離感)




ミラー距離感の再確認


まずは、自分の状態を正確に把握する必要があります。
トレーニングで、インストラクターや後続車との距離を予測してみましょう。
基本操作とイメージトレーニング
車線変更の手順

車線変更の手順です。
1. ルームミラー、サイドミラーで確認
2. 3秒間の合図
3. 目視(できない時は取り止め、落ち着いて最初からやり直しましょう)
4. 実行
車線変更アクション(ハンドルの量)

車線変更時はハンドルを回し過ぎず、少しずつ寄せましょう。
急ハンドルや急な車線変更は、事故の元凶です。
ウィンカーの秒数を確保しよう

死角の位置を把握しよう

ふらつき現象・センターキープ

意図しない原則/スピードキープ

同速調整

車線変更では「他の車と速度を合わせる意識」がとても重要です。
「本質」「方法」「ポイント」

車線変更のポイントは「キープ行動」です。
具体的には、後続車を確認しながらスピードをキープ。
また、後続車を確認しながらセンターキープ(走行中に左右にふらつかない)。
確認することに意識を取られ過ぎないように注意しましょう。

「正しい距離感」と、「キープ行動の安定」。
この2点が視野の広さ、気持ちのゆとり、判断力の向上につながります。
正しい判断力は、車線変更そのもの。正しく判断できれば、後は作業するだけです。

車線変更は「抜かされ際」のタイミングが大きなポイントです。
抜かされ際のタイミングを覚えると、とてもスムーズに車線変更ができるようになります。
実践トレーニング



走行しながらの実践トレーニングです。
プレッシャーが少ない環境で判断力と実践力の向上を目指し、徐々にミッションの難易度を上げていきましょう。
障害物(停車車両)の対処

2車線道路を走行していると、高確率で遭遇するのが「停車車両」です。とりわけ、都内では日常的に頻発します。
これは車線変更の延長線上ですが、考え方は大きく異なります。
車線変更 → 自分のタイミングで行い、止めることもできる
停車車両 → 限られた時間内(距離)で、必ず対処しなければならない

停車車両に遭遇したときは、下記の手順で対処しましょう。
1. 発見したら、すぐにウインカーを出す(下手にタイミングを計らない)
2. 車線変更を実行するのか、あるいは停止するのかを瞬時に判断、決断する



後続車との距離感から、相手の意識を読み取りましょう。
車半分の距離感から近づいてこないときは、譲ってくれています。
スピードを落とす気配が無い、あるいは上右図の位置関係まで近づいてきたとき、相手に譲る気持ちはありません。

停車車両を超える際の注意点です。
正しいタイミングでもとの車線に戻れば、後続車に入る余地を与えないため、事故に発展しません。
戻るタイミングが遅いと「車線変更」と見なされ、後続車が突撃してくるケースがあるので注意しましょう。
合流の基本手順

合流の基本手順は車線変更とほぼ同じですが、ミラーに映らないケースもあるため「目視の重要性」がより高まります。
合流角度がゆるやかな場合はミラーに映りやすいので、目視の併用で安定します。
合流角度がきつい場合はミラーに映りにくいので、目視が極めて重要です。


合流の事前準備です。
1. 事前に情報収集を行う
2・ あらかじめウインカーを出す
3. 速度をキープする
この事前準備が、合流の肝となります。
事前の準備とポジショニングで最適な位置関係が作れれば、後はとても簡単です。

合流の基本手順です。
1. 目視とミラー確認で、入るタイミングを計る
2. 入る場所を決断する
3. スピードを調整(加速・キープ・軽減速)する
4. ゆるやかに、徐々に合流する

入る場所を決断するときに意識することは、極めて単純です。
「(赤い車の)前に入るのか? 後ろに入るのか?」
対象車をすばやく発見し、その前を狙うのか? 後ろを狙うのか?
たったこれだけです。




難しいのは、瞬時に決断することです。
例題や教習体験を通して、決断力を養いましょう。
ファスナー合流

混雑時の合流は、左右交互に合流する「ファスナー合流」の考え方が一般的に浸透しています。
ほとんどのドライバーは「ルールレベル」で実践していますが、あくまでも「暗黙の了解」で成り立っています。

道路工事での渋滞時も、ファスナー合流の考え方は適用されています。

似たような状況で「停車車両の対処」がありますが、こちらには適用されていません。
イレギュラー

イレギュラーな状況で、3車線上の同じスペースを複数の車が同時に狙うケースがあります。
これはさまざまなパターンがあるので、お互いに注意・理解し合うことが大切です。
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公開日:2021.02.01 最終更新日:2022.10.17